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令和7年度【358回~


がんセンターセミナー開催記録

対象者

医学研究者及び医療従事者等

第363回

テーマ

がん診療における薬剤耐性対策

開催日時

令和7年11月14日(金)17:30~19:00

演者

金森 肇 先生(金沢大学医薬保健研究域医学系 感染症科学・臨床検査医学分野 教授)

概要

がん診療においては、化学療法などに伴う免疫抑制や長期的な抗菌薬使用、侵襲的デバイスの使用により、薬剤耐性菌感染のリスクが高い。特にカルバペネム耐性腸内細菌目細菌や多剤耐性グラム陰性菌による感染は、限られた治療選択肢と高い致死率を伴う。耐性菌の蔓延防止には、院内感染対策チーム(infection control team;ICT)による薬剤耐性菌の伝播防止への取り組みと、抗菌薬適正使用支援チーム(antimicrobial stewardship team;AST)による抗菌薬適正使用の最適化が不可欠である。近年、適切な検体採取や微生物検査の選択、迅速検査の活用、検査結果の解釈といった診断支援(Diagnostic Stewardship ;DS)の重要性が増している。本セミナーでは、がん診療領域における薬剤耐性対策の現状と課題について概説する。

開催形式

ハイブリッド形式(大会議室・オンライン開催)
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第362回

テーマ

上部消化管がんの最近の話題~胃がん検診・バレット食道がん・内視鏡AIの現状と課題~

開催日時

令和7年10月24日(金)17:30~19:00

演者

小池 智幸 先生(東北大学大学院 医学系研究科 消化器病態学分野 准教授)

概要

対策型胃がん検診に内視鏡検査が導入され高い精度が報告されているが、受診率が低いという問題点がある。ピロリ菌の感染率の低下とともに胃がんは減少傾向にある一方、頻度は少ないものの胃食道逆流症の合併症とされるバレット食道がんが増加してきている。本邦では胃がんと同様にバレット食道がんに対する内視鏡治療後の予後は良好であり、バレット食道がんをいかに早期に発見できるかが重要である。また、上部消化管領域においても内視鏡AIが実装されつつあり、実臨床での有用性が検討されている。本セミナーでは上部消化管がんの最近のトピックスを概説する。

開催形式

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第361回

テーマ

当院における肝胆膵外科診療と将来展望

開催日時

令和7年10月17日(金)17:30~19:00

演者

森川 孝則(宮城県立がんセンター 消化器外科)

概要

当院では、膵がんや転移性肝がんを中心に肝胆膵外科診療を行っています。膵がんは依然難治がんであり、現在は「術前化学療法+手術+術後化学療法」が標準治療です。治療成績の向上が今後の課題です。転移性肝がんでは、大腸がんに加え、卵巣がんやGISTなども切除可能であれば手術の対象としています。特に大腸がん肝転移の切除例は増加しており、肝臓を温存する手術法により再切除も可能となっています。加えて、われわれは悪性疾患以外にも、胆石症やヘルニアなど一般外科領域にも幅広く対応し、地域医療と病院の発展に貢献できる体制を目指しています。

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第360回

テーマ

日常がん診療で活きる、かんたんctDNAモニタリング検査

開催日時

令和7年9月5日(金)17:30~19:00

演者

岩谷 岳 先生(岩手医科大学 臨床腫瘍学講座 特任教授)

概要

ctDNAは進行がん患者の治療方針決定を目的としたリキッドバイオプシーとして広く活用されているほか、術後のminimal residual disease(MRD)判定による補助療法の要否判断への応用も期待されている。一般的なctDNA解析では次世代シークエンサー(NGS)が用いられるが、コストや煩雑さから検査回数に制限がある。われわれは、少数の症例特異的変異を標的としたデジタルPCRによるctDNAモニタリングシステムを構築し、「高感度個別化腫瘍マーカー検査」として日常診療に導入している。岩手医大附属病院ではすでに700例を超える運用実績があり、ctDNAの特性を活かした活用法を紹介したい。

開催形式

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第359回

テーマ

がんゲノムプロファイリングを用いた tumor-informed ctDNA モニタリングの臨床実装

開催日時

令和7年8月1日(金)17:30~19:00

演者

西塚 哲 先生(岩手医科大学 医歯薬総合研究所 医療開発研究部門 特任教授)

概要

我々はがんゲノムプロファイリング検査で得られた遺伝子変異情報を、血中の腫瘍由来循環DNA(ctDNA)として体内腫瘍量のモニタリングに利用している。患者個別の変異を迅速かつ高感度にctDNAとして追跡できるように、1000種類以上の遺伝子変異に対するデジタルPCRプローブを設計・合成しライブラリ―化した。岩手医大附属病院での実装を通して、このライブラリーを用いたtumor-informed ctDNA モリタリングは早期再発予測、治療効果判定、無再発確証の点において優位性のある検査であることが示唆されている。

開催形式

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第358回

テーマ

AML治療の新たな展望:個別化アプローチに基づく治療体系の再構築

開催日時

令和7年7月25日(金)17:30~19:00

演者

横山 寿行 先生(山形大学大学院医学系研究科 内科学第三講座 血液・細胞治療内科学分野 教授)

概要

急性骨髄性白血病(AML)の治療は、従来の画一的アプローチから、遺伝子変異に基づく個別化治療へと移行しつつある。この変化の背景には、シークエンス技術の進歩によって多数の遺伝子異常の同定が可能となったことに加え、分子標的薬を含む新規薬剤の導入がある。さらに、微小残存病変(MRD)を用いた予後予測や治療介入、維持療法の意義の再評価が進んでいる。加えて、同種造血幹細胞移植の方法や支持療法にも新たな展開が見られ、AML治療の枠組みそのものが再構築されつつある。

開催形式

ハイブリッド形式(大会議室・オンライン開催)
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