グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



歯科


歯科よりお願い

がん患者さんの口(口腔内)の健康状態は、副作用の発生や重症度に関連します。口(口腔内)を清潔で健康な状態に維持することは、がん治療のあらゆる段階で重要です。
ぜひ、がん治療開始の「前」に歯科を受診して、口の中を安定させてからがん治療に臨んでください。(理想的には、がんになってからではなく、日頃からかかりつけ歯科をつくり、口の定期ケアを受けていただきたいです)
そしてがん治療中に口の副作用が出た場合は、我慢をせず主治医と相談して、当院歯科を受診してください。

がん治療における支持療法について

がん治療は大きく分けて手術・抗がん剤・放射線療法などがあり、病気の状態や患者さんの状況にあわせて実施されます。近年のがん治療の進歩はめざましく、新規薬剤などにより治療成績も向上しております。しかし治療法の進歩に伴い、治療による副作用や合併症の問題も深刻なものとなってきました。副作用が強く出ると、がん治療を最後までやり遂げることが難しくなり、結果として治療の効果そのものが低下することが明らかになってきたためです。
これら副作用・合併症・治療後の後遺症などを軽くするための予防・治療・ケアを「支持療法」といいます。患者さんがこれらの多種多様な副作用を克服できるよう予防、また軽微な副作用で済むように支援していく「支持療法」は、現代のがん治療を完遂させるためには無くてはならないものです。

がん治療における口腔内の支持療法(口腔機能管理)について

さて、がん治療の副作用は口(口腔内)にもしばしば生じます。口内炎(口腔粘膜炎)や口腔乾燥、むし歯や歯周病の急性化(腫れや痛み)など口腔内細菌による感染症です。海外のデータによると、抗がん剤治療の4割で、口のトラブルが生じると報告されており、5人に1人は口のトラブルが原因で抗がん剤治療を中止・変更されると言われております。すなわち、がん治療におけるお口の副作用は、痛みで患者さんを苦しめるだけではなく、がん治療そのものに悪影響を及ぼします。以上のことから、がん治療を開始する前から治療中・治療後と歯科で口のケアをおこない、合併症を予防しようとする「がん治療における口のケア(口腔機能管理)」が当科の目的です。

がん治療中の主な口腔内の副作用

歯科

診療内容について

がん治療に伴う口腔合併症を予防および軽減するための口腔管理を重点的におこない、口腔症状の緩和や副作用の軽減・予防を目指します。
当科ではがん治療中に口腔内で生じ得るトラブルをできるだけ未然に防ぎ、がん治療そのものが円滑に進むように歯科的にサポートします。

【手術療法】
手術に伴う傷(口腔がん・咽頭がん・喉頭がん・肺がんなど)に口の中の細菌が付着、繁殖しないように、予め口の中を専門的にクリーニングします。これはまた術後肺炎のリスクを低くすることにもつながります。

【化学療法】
口の中を定期的にケアすることにより、がん治療に伴って生じる口内炎が2次的に感染・悪化しないようにします。さらに、がん治療中で体の抵抗力が落ちているときに、歯周病等の慢性疾患が悪くならないよう、歯科治療を行います。
また、がん治療に関わる薬剤(ビスフォスフォネート製剤や抗ランクル抗体、血管新生抑制剤など)の副作用によって生じる顎骨壊死の予防、治療を行います。

【放射線療法】
頭頸部がん放射線治療中、放射線により引き起こされる口内炎、口腔乾燥による症状の軽減を図ります。(口腔内のクリーニングや放射線防護用マウスピースの作製など)さらに、放射線治療後には虫歯が多発しやすいため、予め予防処置を行います。また、放射線の影響による顎骨骨髄炎が起こらないように治療開始前から必要な歯科処置を行います。

がん治療をはじめる前に現在症状がない歯であっても、がん治療を開始してから影響が起こる可能性がある歯は、抜歯などの処置が必要になることがあります。このときは主治医と相談し、がんの治療スケジュールに合わせて決定します。
虫歯や入れ歯作成などの一般的な歯科治療については、基本的には当科では行いません。がん治療に関する連携講習会を受講した歯科医院(がん診療連携登録歯科医)に紹介し歯科治療を行っていきます。がん治療中の歯科治療について不安がある場合は当院歯科もしくは主治医へご相談ください。

診療実績

初診 再診
2015年 1,435 1,536
2016年 1,576 1,931
2017年 1,564 3,469
2018年 1,574 3,905
2019年 1,635 4,123
2020年 1,061 2,563

研究について

「日々の診療や研究から得た知見を発信していくことで、医療従事者にとって治療の根拠となり、それが一人でも多くの患者さんを救うこととに繋がる」という考えのもと、がん治療中の口腔合併症の予防と治療に関する医学的根拠の構築を目的とした研究を行っております。その一環として、下記のような口腔有害事象のガイドライン・指針等の作成にも参画しております。

1)臼渕公敏:「各論 終末期」がん治療における口腔支持療法のための口腔乾燥症対応マニュアル.(公財)がん研究振興財団, 2019.1

2)臼渕公敏:「Q13 口腔粘膜炎の診断に置いて、鑑別すべき疾患・病態にはどのようなものがあるのか?」JASCCがん支持療法ガイドシリーズ がん治療に伴う粘膜障害マネジメントの手引き 2020年版 金原出版株式会社, 2020.2

3)臼渕公敏:「歯科・口腔外科疾患 癌患者の口腔ケア」今日の治療指針 私はこう治療している Vol.63 1661-1662.医学書院 2021.1

医師紹介

名前 職名 専門医等
臼渕 公敏
(うすぶち まさとし)
診療科長 (財)歯科医療研修振興財団
歯科医臨床研修指導医(プログラム責任者)