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形成外科【診療内容】


診療内容

・頭頸部再建

 口腔やのどのがん (頭頸部がん) は、切除するだけでは摂食や発声などに大きな障害が生じ、また同時に顔面に変形が残ることもあります。そのため切除と同時に、切除された部分に体の別の部分から皮膚・脂肪・筋肉・骨など (自家組織) を移植して、摂食や発声などの機能を維持できるように再建しています。
 移植に用いるのは、主に腹部や大腿部などの皮膚・脂肪・筋肉組織ですが、下顎骨の再建には下腿部の骨を移植したり、頸部食道の再建には小腸を移植することもあります。

下腿(腓骨)による下顎再建

下腿(腓骨)による下顎再建

下腿(腓骨)による下顎再建

<下腿 (腓骨) による下顎再建、日本頭頸部癌学会HPより>

 当院ではこれまでに700例以上の頭頸部再建手術を行っており、東北地方ではトップクラスの実績です。

・乳房再建

 乳房は切除されても機能的に大きな障害は生じませんが、女性にとっては精神的な障害が残ることがあります。また温存手術であっても切除の範囲や大きさによっては変形が生じます。こういった乳房の変形を治す (再建する) のも形成外科医の仕事です。
 乳房を再建するには、体の別の部位から皮膚や脂肪を移植する方法 (自家組織移植) と、人工乳房 (シリコンインプラント) を埋め込む方法、の大きく二通りがあり、後者では乳房切除と同時に再建手術を行うことも可能です。

<人工乳房による再建、日本形成外科学会HPより>

 他施設で乳がんの手術を受けた方の乳房再建についても、紹介の有無に関係なく対応いたします。

・四肢や体幹部の再建

 整形外科で治療される四肢 (腕や脚) や体幹 (背や腰) 部の腫瘍においても切除範囲が広い場合は再建が必要となり、そういった場合は頭頸部や乳房再建のように、自家組織移植によって再建を行います。
 とくに四肢の悪性腫瘍においては、同時に再建手術を行うことによって、四肢が切断されることはほとんどなくなっています。

・皮膚・皮下腫瘍 (良性含む)

 皮膚や皮下腫瘍の治療の基本は切除手術ですが、手術による傷跡 (瘢痕) によってひきつれ (瘢痕拘縮) を生じることがあり、また瘢痕そのものが目立ってしまう場合もあります。形成外科では、とくに顔面や手など日常生活において整容的、機能的に重要となる部位について、手術後の瘢痕や瘢痕拘縮の予防を考慮した腫瘍切除手術を行っています。

・肥厚性瘢痕・ケロイド

 手術や外傷など原因の如何にかかわらず、皮膚が完全に切開された部分には、必ず何らかの瘢痕が残り、それが幅広くなったり盛り上がって目立つ状態 (肥厚性瘢痕) になることがあります。またときにこれらが悪化しつづけて「ケロイド」と呼ばれる状態になることもあります。こう言った瘢痕を完全に消すことはできませんが、薬物治療などによって症状を抑えたり軽減させたりすることは可能です。

・がん治療に伴う慢性創傷・難治性潰瘍・褥瘡

 がんの治療では、放射線や薬物などの影響 (いわゆる副作用) や栄養障害などによって手術創が開いてしまったり、皮膚の血流障害などによって難治性の潰瘍を生じることもあります。また手術直後の安静やがんの痛みによって体が動かせない状態が長く続くと床ずれ (褥瘡) を生じることがあります。こういった慢性創傷・難治性潰瘍・褥瘡なども「きずの専門家」である形成外科医がより早くきれいに治しています。

・その他

 当院はがん治療の専門病院ですが、宮城県内には仙台市内を含めても形成外科のある施設がまだ少ないため、外来では形成外科対象疾患すべてに対応しており、実際に名取市内の医療機関からの紹介で、やけどや顔の傷、足の爪の変形 (陥入爪) などの外来治療も行っています。
 当科では紹介状がなくても新患受診を受け付けていますので、当院周辺にお住まいで形成外科的な診療を希望する方は、いつでもご相談してください。