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呼吸器内科【診療内容】


診療内容

1.肺がんの診断

がんの確定診断のためには細胞や組織を採取する「生検」をして病理検査をすることが必要です。生検の方法には気管支鏡検査やエコーガイド下生検、CTガイド下生検、手術などがあります。体表面の病変に対して行うエコーガイド下生検に関しては、適応があれば外来で初診当日にも行うことが可能であるため、診断にかかる時間を最小限にすることができます。
体の表面からの生検ができない場合には気管支鏡検査を行います。気管支鏡検査は1泊2日の検査入院で行っています。多くの症例で超音波気管支鏡 (EBUS-GS , EBUS-TBNA) を使用しています。内科での検査では診断がつかない場合、呼吸器外科で外科的肺生検を行うこともあります。生検で得られた細胞、組織で肺がんの組織型を調べるほかに、治療薬を決めるうえで重要な情報であるEGFR、ALK、ROS1などの肺がんの遺伝子検査やPD-L1タンパク質の検査を行う必要があり、これらの結果は約2週間程度で判明します。近年は、臨床研究によるゲノム検査により稀な遺伝子の検索を行い、最善の治療薬を探す試みも増えています。
同時に、CT、MRI、PET-CT、骨シンチグラムなどの画像検査で病気の拡がりを調べ、ステージ (病期) が決まります。ステージはⅠ期 (ⅠA , ⅠB) 、Ⅱ期 (ⅡA , ⅡB) 、Ⅲ期 (ⅢA , ⅢB , ⅢC) 、Ⅳ期 (ⅣA , ⅣB) に分類されます。一般にⅢ期以上の方が内科的治療の適応となります。

2.肺がんの治療

肺がんと診断された場合、組織型や病期 (ステージ) や遺伝子変異の有無、年齢、体力などを総合的に判断して治療方法を決定します。手術療法の適応となる場合は呼吸器外科へ紹介します。放射線療法は放射線治療科と連携して行います。呼吸器内科では主に抗がん剤 (化学療法) 、免疫チェックポイント阻害剤、分子標的治療薬などの薬物療法を担当します。同じく肺がんを専門とする呼吸器外科や肺がん治療の経験が豊富な放射線治療科など、専門家同士の連携により最善を目指した治療を行っています。

入院治療

初めて薬物療法を受ける場合や治療法を変更する場合、安全に治療できることを確認するため、初回治療は入院して行います (治療薬によって日数は異なります) 。およそ2週間程度の入院となることが多いですが、Ⅲ期で放射線療法と化学療法を同時に行う治療の場合、6週間程度の入院となります。

外来治療

2サイクル目以降の治療は外来通院で行います。外来での化学療法の流れは、レントゲンや採血などの検査の結果が出てから担当医の診察を受け、外来化学療法室で点滴を受けます。通院の間隔は治療法によって異なります。

緩和医療

「緩和ケア」は、がんの治療ができなくなった方への医療というイメージがあるかもしれませんが、実は、がんが見つかった時から行う、身体的・精神的な苦痛を和らげるためのケアのことです。がん治療中におこる痛み、吐き気、倦怠感、不安などを緩和することで、がん治療が受けやすくなるようサポートします。主治医、看護師のみならず、緩和ケアチーム、臨床心理士なども加わって苦痛を和らげる方法を考えます。

肺がんになってしまったら

がんは決して珍しい病気ではなく、誰もがなり得る病気の一つです。働きながらがんの治療を受ける方もいますし、一人暮らしでがんの治療を受ける方も年々増加しています。残念ながら社会的にもまだ十分な体制が整っているとは言えず、困難な事もありますが、患者さんが、できるだけがんと診断される前と変わらない生活を送りながら治療を続けることができるようお手伝いします。