2024年4月より宮城県立がんセンター看護部長に就任しました小野由美子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。宮城県立がんセンターは東北唯一のがん専門の病院として、がん高度先進医療の提供を行うと同時に、緩和ケアや研究を含めた「がん征圧の拠点」としての役割を担っています。

国民の2人に1人ががんに罹患する現在、治療成績の向上に伴い、がん患者さんの生存期間の長期化、社会復帰が容易となりました。しかし、がんという疾患は治療経過が長く、それぞれの段階で必要とされる治療や看護ケアが異なります。がんと共存する中で、長い治療経過を見据えて、常に患者さんにとって何がベストなのか、ご家族の思いは何か、患者さんの可能性を引き出すのが看護師の役割です。

患者さんの最も近い存在である看護師は、患者さん、ご家族の言葉にできない「今」の思いに寄り添いながら、自らのご意思で治療や療養を選択できるよう他職種と連携をしながら患者を支援することが求められます。

看護部の教育は、看護実践の基礎的能力から「がん看護実践能力」まで、段階的に学びを深める研修体制になっています。現場にいる専門・認定看護師や医師などスペシャリストが講師になり、患者さんやご家族の状況から看護を探求できる充実した研修となっており、これらの教育と臨床の学びを統合しながら「がん看護」の実践へとつなげています。

看護部の理念「温かく信頼感のある質の高いがん看護の提供」を目指し、患者さん・ご家族に寄り添いながら、今後もがん看護を実践していきたいと考えています。


看護部長 小野 由美子