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放射線治療部門:密封線源治療


密封線源治療

放射線治療部門では、精度の高いリニアック装置と新規導入したトモセラピーによる放射線治療のほか、密封線源を用いたラルス治療(腔内照射)を行っています。
また、患者さんがより安心して治療を受けられるよう装置の精度確保、品質管理を行っております。

ラルス治療とは?

リニアック装置やトモセラピーを使用した放射線治療は、体の外側から放射線をあてますが、ラルス装置は、イリジウムという放射性物質を体内に装填し、体の中から放射線をあてる方法です。
イリジウムは、たこ糸程度の太さのワイヤー先端部に付いており、その大きさはボールペンのペン先より小さくなっています。

イリジウムは放射性同位元素のため、常にγ(ガンマ)線という放射線が出ています(γ線はX線と同じ性質です)。このため使用しないときは、金属容器の中に『密封』保管して放射線を遮蔽しているので密封線源と呼ばれています。

がんセンターでは、婦人科の疾患(主に子宮頚がんや子宮体がん)に対してラルス治療(腔内照射)を行っています。
リニアック装置での放射線治療と組み合わせて行います。

放射線治療科について(診療科の説明・医師紹介)

がんセンターの密封線源治療装置の写真

がんセンターの密封線源治療(ラルス)装置

ニュークレトロン社製
リモートアフターローディング式治療装置
マイクロセレクトロンHDR-V2
(2007年4月導入)

ラルス治療の流れ

ラルス治療(腔内照射)は、以下の手順で行われます。
  1. イリジウムを入れるために、線源挿入専用の治療器具が必要となります。
    この器具を体の中に挿入やすくするために、治療日の前日などに、婦人科の医師が診療を行います。

  2. 治療日当日、照射開始に先立って、放射線腫瘍医が治療器具(アプリケーター)を体の中に挿入します。
    器具にはゼリー状の麻酔薬を付けて挿入しますが、挿入中は重苦しさを感じる方もいます。

  3. その後X線写真を撮影して、器具が体の中の適切な場所に配置されていることを放射線腫瘍医が確認します。

  4. 撮影したX線写真を基に、放射線腫瘍医または医学物理士が治療計画を行います。
    治療計画には約10分の時間を要します。

  5. 治療計画データ(照射線量や照射時間など)の内容を放射線腫瘍医と診療放射線技師が確認した後、照射開始となります。照射時間は、約10分~15分です。
    この間、患者さんは治療室の中に一人きりになりますが、治療中の患者さんの様子は、カメラやマイクをとおして観察しております。
    また、放射線そのものは体に対し、痛みなどを与えません。

  6. 照射が終わると、放射線腫瘍医が体の中から器具を抜きます。消毒等の処置をして治療は終了となります。