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画像診断部門:MRI撮影について


画像診断部門では、各診療科の医師や地域の諸先生方のさまざまな依頼にお応えするため、最新の画像検査装置を駆使し、より診断価値の高い画像を提供しています。

MRI撮影について

MRIとは?

Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像)とは、核磁気共鳴現象と呼ばれる現象を利用して人体の様々な断面を画像化する検査です。
非常に強い磁石の力と電波を利用するので、放射線による被ばくがありません。

強力な磁石の中に置かれた人体に電波を当てると微弱な電気信号が発生しますので、その電気信号を受信してコンピュータ処理することにより画像が得られます。
MRI検査の際、撮影部位に器具(コイルと呼びます)を乗せたり巻いたりするのは、その電気信号を受信するのに使われるためです。

CTとしばしば比較されますが、CTは放射線を人体に当て、通り抜けた放射線の量を元に画像を作るのに対し、MRIは上記のように磁石と電波を用いて発生した信号を元に画像を作りますので、同じ輪切り画像でも、まったく違った情報が得られます。
どちらが良いというわけではなく、それぞれの長所を活かして目的に応じて使い分けられます。

MRI検査では骨の存在に影響されないコントラストの良い画像が得られます。
また、身体の構造や病変の有無、大きさだけではなく、どのような成分で構成されているかという推定が可能です。
MRI検査で得られる画像の中のDWI(拡散強調画像)は、急性期脳梗塞の診断に大変役立ちますし、造影剤を使用せずに身体の中の血管が描出できるMRA(MRアンギオグラフィ)、同じく造影剤を使用せずに胆管膵管を描出できるMRCP、体内組織の代謝物質を評価できるMRS(MRスペクトロスコピー)、といった技術も備えています。
また、テンソルイメージングでは脳内の神経路を描出し、手術前に重要な神経路と病変の位置関係を把握するのに有用です。

がんセンターのMRI装置

SIEMENS社製 Avanto fit
(2014年3月31日導入)
SIEMENS社製 MAGNETOM Verio
(2010年3月11日導入)

以上の2機を、撮影部位や検査目的に応じて使い分けています。

がんセンターのMRI装置の写真

MRI検査を受けるにあたって知っておいていただきたいこと

MRI検査は強い磁石の力を用いて行う検査です。
検査室内は撮影していないときでも常に磁場が発生しており、人身事故や物的破損につながる可能性があるため、様々な注意事項がありますので、ご留意願います。

  • 以下に該当する方は検査室に入ることができません。
    • 心臓ペースメーカーを埋め込んでいる方
    • 人工内耳を埋め込んでいる方
  • 以下に該当する方は検査ができない場合がありますので、スタッフにお知らせください。
    • 脳動脈瘤クリップ、血管ステント(心臓など)、人工関節・プレートなどが体内にある方
    • その他金属類が体内にある方
    • 狭いところが苦手な方
    • 妊娠中、あるいは妊娠している可能性がある方
  • 以下の物は検査室に持ち込むことができません。
    • 金属類(アクセサリ、メガネ、ヘアピン、時計、鍵、小銭、ライターなど)
    • 磁気記録媒体(紙幣、クレジットカード、キャッシュカード、定期券、診察券など)
    • その他(携帯電話、補聴器、入れ歯、カイロ)
  • また、以下に当てはまる物の一部は、電波を当てると発熱する可能性があります。また、微小な金属を含んでおり、画像が乱れてしまう場合があります。
    • 刺青
    • マスカラ、アイシャドウ、マニキュアなどラメ入りの化粧
    • コンタクトレンズ
    • 湿布などの貼り薬
※検査当日は化粧を控えめにしていただき、使い捨てコンタクトレンズの方は交換用のレンズ、もしくはメガネをご持参ください。

MRI検査を受けるに当たってのお願い

  • 当院のMRI検査は予約制ですが、緊急検査の有無、またお一人お一人の検査状況によりずれ込む場合があり、予約時間どおりに検査できない場合があります。
    予約時間を守るよう努めておりますが、ご了承願います。

  • また、当日の採血データを参照する場合、採血結果が出るまでお待ちいただきますので、待ち時間が長くなる場合があります。

  • 予約時間に来院できない場合は、なるべく早めに当院MRI室(022-384-3151)までご連絡ください。

  • これまでのMRI検査で造影剤を使用し、副作用が出たことがある方は検査前にお知らせください。

  • 安心して検査が受けられるよう、ご不明な点がございましたら、スタッフにご相談ください。

MRI検査の流れ

  1. 16番のCT・MRI受付においでください。
    予約時間の20分前にはいらしていただくと検査がスムーズに行えます。
    また、同日に血液検査がある場合には、予約時間の1時間前には来院して採血を済ませてください。

  2. 問診表を記入していただきます。
    安全確認のため、毎回記入していただきますのでご協力願います。

  3. 順番が来ましたら、スタッフが検査準備室にご案内します。
    検査着に着替えます。金属類はもちろんのこと、身体から外せるものは外し、検査室に持ち込む必要のないものはすべてロッカーにしまってください。

  4. MRI装置のベッド上に寝ていただきます。
    撮影部位に画像を良く写すために必要な器具(コイル)をセットし、身体も動かないように固定します。

  5. 放射線技師が位置合わせをして検査開始です。
    呼び出し用のブザーをお持ちいただくので、検査中になにか変わったことがあれば遠慮なさらずお知らせください。
    また、操作室からは検査室内の様子をモニターで確認しております。安心して検査を受けてください。

  6. 撮影が始まると工事現場のような大きな音がします。
    大きな音が出ている間に撮影しています。動くと画像がぶれてしまいますので、撮影中は動かないでください。 また、撮影部位によっては20秒程度の息止めが必要な場合があります。

  7. 造影剤の注射をします。
    当院のMRI検査は造影剤を使用するのが通常です。
    主治医や放射線科医の判断で使用しない場合もあります。

  8. すべての撮影が終わったら、注射の針を抜き、ベッドから下りて検査終了です。

造影剤について

  • 造影剤を使用することで病変や血管が見えやすくなり、より正確な診断ができます。

  • CTで用いられる造影剤はヨード製剤ですが、MRIで用いられる造影剤はガドリニウム製剤でまったく異なる薬です。副作用の発生率は極めて少ないといわれています。

  • 起こりうる副作用として、吐き気や発疹、気分不快といった軽度のものや、きわめて稀に起こる血圧低下や呼吸低下などのショック症状に至るものまでありますが、あらかじめアレルギー反応を予測するのは不可能です。
    しかし、このような症状が生じたときには、すぐに担当の放射線科医が適切な処置を行えるようにしてありますのでご安心ください。
    また、検査終了後時間が経ってから(数時間~数日中)副作用の症状が出る場合もありますので、その場合には当院(022-384-3151)にご連絡ください。

  • 造影剤は尿として排泄されますので、検査終了後は、水分(お茶、ジュース等も可)を多めにとるようにしてください。

  • お風呂も入っていただいて構いませんし、日常生活に特に制限はありません。

よくあるご質問

Q.検査時間はどのくらいですか?
撮影部位や検査目的によりますが、ほとんどの検査は15分~30分程度です。一部の検査では1時間程度かかることもあります。

Q.閉所恐怖症なので検査が無事受けられるか心配なのですが?
検査中は幅60~70cmのトンネルの中でじっとしていただく必要があります。動いてしまうと画像がぶれてしまうためです。
軽度の方で特に支障なければ問題なく検査できますが、重度で検査に耐え難いという場合は検査が受けられない場合があります。

Q.検査にあたって食事制限などはありますか?
一部の腹部撮影を除いては特に制限はありません。
食事制限が必要な場合には、外来診察時に説明があります。
ただし、血液検査や同日にあるその他検査において、食事制限の指示がある場合にはそちらに従ってください。

Q.血液検査の結果をなぜ待たなくてはならないのですか?
血液検査の項目のうちの腎機能の数値を参照するためです。
静脈を通して体内に注入された造影剤は、尿中に排泄されます。
そのため、腎機能の数値次第では、造影剤の使用を見合わせる場合や、慎重に投与する必要があります。
また、血液データは3か月以内のものを参照しますので、造影検査時に必ずしも毎回血液検査の結果を待つ必要はありません。
ただし、3か月以内のデータがあっても、数値次第では改めて当日の数値を参照する場合もあります。

血液検査は、採血した検体が検査部に回ってから30分~1時間程度で結果が出ます(採血室の混み具合にもよります)ので、血液検査と同日にMRI検査を受けられる場合には、予約時間の1時間前には来院していただくようお願いします。

Q.検査時に体重を聞かれるのはなぜですか?
がんセンターでは、造影剤を体重に応じて投与しています。
体重1kgにつき0.2mlが目安といわれています。(例)体重65kgの場合 65×0.2=13ml