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がん薬物療法研究部


研究員構成

島 礼 部長
東北大学医学系研究科連携講座 がん分子制御学分野 教授
田沼 延公 主任研究員
東北大学医学系研究科連携講座 がん分子制御学分野 准教授
黒田 妙子 博士研究員
野村 美有樹 研究員
坂本 良美 技術員
寺崎 恵子 技術員
菊池 直彦 博士課程 (呼吸器外科)
工藤 敬 博士課程 (婦人科)
金澤 孝祐 博士課程 (消化器外科)
岸本 和大 博士課程 (頭頸部外科)
福井 勝哉 博士課程 (放射線治療科)
井上 維 共同研究員
盛田 麻美 共同研究員(呼吸器内科)
黒沢 是之 共同研究員(形成外科)

博士研究員・研究補助員募集

随時、募集しています。

Cancer-mol-reg(a)med.tohoku.ac.jp
(担当:大内、(a)は、@に替えてください)までご連絡ください。

現在の研究項目

1.がんの代謝特性を解明し、新規治療ターゲットとして開拓する

図1

 がん細胞は、正常細胞と比べ、非常に多くのブドウ糖を消費します(図1)。この性質を利用したのがFDG-PET検査です。不運にも、がんの疑いが出てしまった場合、とくに欧米では、”PET FIRST!!”(まず、PETを)というフレーズがあるくらい、ポピュラーです。感度も良く、非常に信頼されている画像診断です。
このことからも窺えるように、「がんでは、代謝がおかしい」というのは大変広く知られています。鉄板の現象です。しかし、大量に取り込まれたブドウ糖が、腫瘍細胞の中でどのように、また、何のために使われているのか? 分かるようになってきたのは、技術革新がすすんだ最近のことです。“がん代謝”には、「多くの未知で有望な治療ターゲットが、発掘されぬまま埋もれている」と期待されています。ここに、がん代謝を研究する意義がある、と言えます。

図2

 私たちは、そのような基本的コンセプトのもと、“がんの代謝特性を解明し、新規治療ターゲットとして開拓する”ことを目標に掲げ、研究を行っています(図2:Kikuchi N. 投稿中、Nomura M. Oncotarget ’18、Sato T. Mol Cell Oncol ’18、Morita M. Cancer Cell ’18、Sato T. Oncol Lett ‘17)。最近の代表的成果「小細胞肺がん、PKM1依存性の発見」の論文は、米国著名誌(Cancer Cell誌)当該号にてfeatured article(イチ押し)に選ばれ特集記事も組まれるなど(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1535610818300618)、国際的にも極めて高い評価をいただいています。これまでは、肺がんの研究を中心にすすめてきましたが、卵巣がんをはじめ(Kudo K. FEBS Lett ‘20)、様々ながんにその対象を広げ、成果も上がりつつあります(投稿準備中)。

2.ホスファターゼを標的としたがんの診断・治療法の開発

図1

 タンパクリン酸化は、キナーゼ(リン酸化酵素)とホスファターゼ(脱リン酸化酵素)の活性のバランスで調節されています(図1)。タンパクは、リン酸化により構造を変化させて、機能を活性化したりあるいは不活性化したりします。がんでは多くの場合、がん化に関係するタンパクのリン酸化に異常が起こることが知られています。特にキナーゼ遺伝子の活性化変異によりがん化が起こる場合は、そのキナーゼに対する阻害剤が有効な抗がん剤となります。

図2

 当部では、ホスファターゼ(研究の難しさのため世界的に研究が遅れていた)に注目して、発がんとの関係を研究しています。ホスファターゼは、細胞の中に〜120種類あることが分かっていますが、我々は、最近は、特にPP6ホスファターゼを中心に研究をしています。ヒトの腫瘍ではPP6遺伝子の変異やPP6タンパク量の低下が見つかっていましたが、がん化とどのように関連するかの証明はされていません。

 我々は、PP6遺伝子を欠損したマウスの作製に成功し、そのマウスを用いた実験により、PP6活性が無くなると、発がん剤による腫瘍化(Oncogene2015)、紫外線による腫瘍化(Cancer Lett.2015)、変異型Rasによる腫瘍化(Cancer Sci.2018)を起こすことを、3名の大学院生が明らかにしてくれました。PP6は 新たに見出されたがん抑制遺伝子と考えられます。現在所属している大学院生は、頭頸部がん、メラノーマ、膵臓がん、肺がん等における、PP6のがん抑制作用を解明中です。また、PP6異常でがんになった症例に対して、ホスファターゼの活性化剤が使えるのではと考え、研究を進めています。