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研究紹介<医療関係および医学関係の方へ>



これまでのがん研究では、細胞株やゲノムを対象とした研究が先行し、多大な成功を収めてきました。しかしながら、生体内で私たちを苦しめる「生きたがん」は、がん組織の周辺を取り巻く微小環境のなかで生存・増殖を続けており、さらに私たちの体には、腫瘍を攻撃する免疫(抗腫瘍免疫)が備わっています。一方、腫瘍は過酷な環境(低酸素環境など)に耐え、抗腫瘍免疫から逃避(エスケープ)する特殊な能力を獲得しているはずです。効果的ながん治療法開発とは、単にがん細胞を標的とするだけではなく、がんを生体システムにおける一臓器として捉え、撲滅に導くことが必要です。免疫系とがん組織、周辺組織とがん組織、といった「複雑系」同士の相互作用という観点から、がん組織の生存戦略を再発見し解析することが、「本当に効果的な」がん治療法の開発に必須と考えられています。

私たちの研究室では、がん免疫や微小環境に耐える「がんの特性」に着目し、研究を行っています。特に、1)腫瘍増殖を支援する新たな免疫系細胞を同定する研究、および、2)腫瘍増殖と転移を制御している新たな分子を発見する研究、の2本柱からなる研究開発を展開しています。遺伝子改変モデルマウスや腫瘍細胞の移植系を用いた実験系を用いて、生体内での解析に主眼を置いています。さらに、「ベンチからベッドへ」を合言葉に、これらの基礎研究を臨床応用できることを目標に、チャレンジしています。