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院長挨拶


病院長の写真

宮城県立がんセンター病院長の山田秀和と申します。病院長を拝命してから早4年が経過しました。この間に新型コロナウイルス感染症の蔓延や4病院の統合問題など当センターを取り巻く環境は大きく変化しています。それでも宮城県立がんセンターはその名のとおり宮城県におけるがん治療の拠点病院であり、がん患者さんに最先端の医療や情報を提供してゆく使命に何の変化もありません。患者さんや医療関係者の方々には従来どおり当センターを安心してご利用いただければと思います。

さて、当センターでは手術や化学療法、放射線治療など通常のがん診療を行っているのは言うまでもありませんが、中でも最近力を入れていることのいくつかを紹介させていただきます。1つ目は手術支援ロボット(ダヴィンチ)や腹腔鏡を利用した「低侵襲外科治療」です。2019年4月より低侵襲外科センターを院内に立ち上げ手術支援ロボットを導入し、泌尿器科(前立腺・膀胱がん)から手術を開始しています。現在では胃がんや大腸がん、そして肺がんにまでその範囲を拡大し、近々婦人科がんでも開始予定です。ご希望の患者さんは是非関連診療科にご相談いただければと思います。次に力を入れていることとして「がんゲノム医療」が挙げられます。ゲノム医療はがん細胞の遺伝子情報を調べ、それに応じて個々のがんにあった治療を選択する究極の個別化医療と考えられます。当センターでは2018年3月には拠点病院である東北大と協力してゲノム医療を行うがんゲノム医療連携病院に選ばれ、2019年9月にゲノム医療センターを立ち上げています。2022年3月までに遺伝子パネル検査約120例を行い、新しい治療薬が見つかり従来では考えられなかった長期生存をもたらしているケースも見られます。不幸にしてがんが再発し標準治療が終了した患者さんにとって今後の治療を探す有力な選択肢の1つになるかと思います。また、当センターでは呼吸器内科や頭頸部内科、腫瘍内科を中心として、様々な新薬の治験や臨床試験を行っており各県から広く患者が集まってきています。是非当院のホームページでご確認ください。これからも、これらの先端的治療を病院挙げて積極的に推し進めていきたいと考えています。

さて、冒頭にも述べたとおり、当センターの今後の在り方が宮城県を中心に検討されているなか(4年前にも書きましたが)、高齢の患者さんが急速に増加する近未来を見据えて当センターのあるべき姿を描く時になりそうです。言うまでも無く我々の使命は「患者さんのがんを治す」ということに尽きると思います。そして当センターのスタッフに求められているのは、がん治療の「プロフェッショナル」として、患者さんを「より良く」治すことだと考えます。それはただ単に決まりきった治療を行うだけではなく、肉体的・精神的あるいは社会的にもサポートを行いながら患者さんと共にがんと闘っていくことだと思います。また、難治性がんや希少がんなど、他院では治療困難な疾患に立ち向かっていくのも当センターの大きな使命と考えています。これらの大きなミッションを達成するために必要なこと、成すべきことが当センターの未来を決めるキーワードであり、向かうべき姿であると考えています。

以上、いくつか私が日頃考えていること、今後やるべきことを書いてみましたが、これからも患者・がんセンター・地域の医療施設が一体となってがん治療にあたる理想像を求めてやっていきたいと思っています。当センターは東北で唯一のがんセンターであり、私は成人病センターから数えて13代目の院長となります。この間に長年にわたり、当センターを支えてくださった患者さんやスタッフの皆様にこの場を借りて心より御礼申し上げます。