グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



ホーム >  精神科とは >  豆知識

豆知識


精神科・神経内科・心療内科のちがい

精神科、神経内科、心療内科、どれも似たような名称で、どの科を受診すれば良いのか迷うことがおありのことと思います。

精神科は、神経内科、心療内科と密接な関係があり、連携しながら医療を進めることも多いのですが、3つの科の内容はかなり違っています。
神経内科は、脳や神経の病気の診療を行います。例えば、脳梗塞、パーキンソン病、脳脊髄炎などの病気の診断と内科的治療を行います。てんかんの治療も行います。
心療内科は、精神的原因(悩みやストレス)によって身体の不調(高血圧・胃炎や胃潰瘍など)が生じた場合、内科的治療と合わせてストレス軽減のための支援を行います。

精神科は、うつ病や統合失調症など、精神的問題の基盤に脳の機能的変化がある病気の診療、神経症や不眠症など脳の機能に変化はないものの、ストレスとその受け止め方で悩みが生じる場合の診療などを行います。精神科で診療する病気については豆知識の中でご紹介して行きます。

精神科で診療する病気

精神科の場合も体の病気と同様、年齢によって起こりやすい問題や病気が異 なります。
代表的なものを以下に挙げておきます。

  1. 児童・思春期
    チック・夜驚・発達障害・摂食障害・統合失調症・うつ病・・・
  2. 成年期
    神経症・依存症(アルコール・ギャンブル等)・統合失調症・うつ病・不眠症・・・
  3. 老年期
    神経症・うつ病・痴呆(認知症)・・・

うつ病について

1.うつ病の症状

  1. 仕事や家事に取り組む気力が湧かない、人にも会いたくない、テレビも見たくない、考える力が落ちたようで集中力がない、決断力がない、食欲もないし食べ物を食べても味がしない・・・などの意欲や思考力の低下
  2. 体がだるく疲れやすく、寝汗をかき、便秘をする、口が渇くなどの身体症状
  3. 寝付きが悪く、熟睡できず、朝早く目覚めてしまうなどの睡眠障害
  4. 気分がゆううつで、悪いことばかり考えてしまい、悲観的になり、希望が持てず、不安が強まり、ついには死ぬことまで考えてしまうなどの感情障害・・・・こうした症状が週単位で続く場合はうつ病になっている可能性があります。

2.原因

家庭や職場のストレス、仕事の忙しさ、身近な人との別れ、事故、体の病気、ストレスからの解放、引っ越しや昇進などの境変化・・・などがきっかけとなり、脳の中にある意欲や感情を安定させる物質が減少した状態になって起こります。きっかけなく、季節の変わり目に起こる場合もあります。

3.対策と治療

  1. 精神科で診察を受け薬を飲む
    意欲や感情を安定させるための効果的な薬が多数あります。薬との相性は個人差がありますので、医師と話し合い、効果を確かめながら最適の種類・量を決めて治療して行きます。
  2. 本人・家族・周囲の人が病気について理解し適切に対応する
    適切な治療と休養によって必ず治る病気であることをご自身や周囲の人が理解する必要があります。「必ず治ること」を皆で確認して行きましょう。
    また、無理を重ねて病気になり自分を責めていることが多いので、周囲の人は「気力を出してがんばれ」等と叱咤激励するのではなく、安心して休養できるよう配慮しなければなりません。
    職場の方からも「仕事のことは任せてゆっくり休むこと。快復するまで職場は待っている」と伝えていただくことが必要です。主婦であれば家事の代行役も必要になります。
    車で言えばガソリンが切れた状態で、ご本人はアクセルをふかし必死でがんばっているのに、車(心や体)が動かない状態を想像して下さい。休息と治療でガソリンが充ちてくれば、車は動き出します。
  3. 病気が改善するまで重要な決断はしないこと
    悲観的になっているときには仕事をやめたり、離婚を考えたり、財産を手放す等の判断をしてしまうことがあります。安定した状態に戻ってから悔いのない判断をすることが大切です。

4.経過について

適切な治療と休養によって必ず治る病気です。回復の途上で、一時的に良くなったり悪くなったりの波が来ることがありますが、必ず回復します。病気を経験することにより、無理のない自分にあった生き方のペースをつかめる方が多いようです。

4人にひとりはうつ病になると言われています。決して珍しい病気ではありません。
早めに専門家に相談し、回復への準備をして行くことが大切です。