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宮城県立がんセンター病院情報の公表(令和4年度)



令和4年度 宮城県立がんセンター 病院情報の公表

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

令和4年度 年齢階級別退院患者数

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 12 29 103 340 668 1,371 2,047 812 69
・令和4年度中に当院を退院した患者数を年齢別(10歳刻み)に集計したものです。
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。
・60代及び70代の患者さんの割合が高く6割を超えています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

血液内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法あり リツキシマブ) 78 8.44 10.00 0.00% 68.21
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法あり リツキシマブ+フィルグラスチム等) 56 18.91 19.67 0.00% 74.61
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫 免疫性悪性新生物 手術なし (化学療法あり ダラツムマブ等) 32 16.84 16.47 0.00% 71.31
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法あり ブレンツキシマブ ベドチン等) 31 14.10 13.53 0.00% 71.29
130030xx99x6xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法あり レナリドミド等) 30 10.13 13.22 0.00% 71.17
造血器悪性腫瘍に対しては、日本血液学会造血器腫瘍診療ガイドラインに沿った治療を行っています。
近年高齢化がすすみ、患者さんの年齢、全身状態に合わせて治療を検討する必要性が高くなってきています。

非ホジキンリンパ腫
リンパ節生検等の組織検査を行うことによって病型を特定し、治療を選択することが重要です。B細胞リンパ腫に対するリツキシマブ(リツキサン®)、濾胞性リンパ腫に対するオビニツヅマブ(ガザイバ®)等適切な薬剤の選択が可能となるからです。造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版では、CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫に対しては、ブレントキシマブ ベドチン(アドセトリス®)を併用したBV-CHP療法が推奨されています。最近悪性リンパ腫は再発時にもさまざまな薬剤を使用し、病勢のコントロールをすることが可能となってきています。濾胞性リンパ腫に対するリツキシマブ(リツキサン®)、レナリドミド(レブラミド®)併用療法(R2療法)は殺細胞性薬剤を使用しないchemo free regimenとして血球減少等の合併症を少なくすることが可能となりました。また、再発・難治性T細胞リンパ腫に対する薬剤(フォロデシン塩酸塩(ムンデシン®)、プララトレキサート(ジフォルタ®)、ロミデプシン(イストダックス®)、ツシジノスタット(ハイヤスタ®)、デニロイキン ジフテトクス(レミトロ®)、ダリナパルシン(ダルビアス®))が相次いで使用可能となり、今まで限られた治療薬しかなかった再発・難治性T細胞リンパ腫患者さんに対しても治療が可能となってきています。当院では、適応のある患者さんに対しては、自家末梢血幹細胞移植も積極的に行っています。

多発性骨髄腫
症状があり、進行した患者さんに抗がん剤の治療を開始します。抗がん剤は2剤、あるいは3剤薬を同時に使用する多剤併用療法を行います。CD38 抗体療法(ダラツムマブ(ダラキューロ®)、エロツズマブ(エムプリシティー®))の併用が可能となり、多発性骨髄腫の治療成績は改善を示しています。多発性骨髄種は、骨、腎臓に病変が及ぶことが多く、痛みや腎機能障害が問題となる場合が多くあります。当院では、整形外科などの複数の科と相談し、これらの症状に対しても治療を行います。症状がなく、治療が必要ない場合には、定期的に症状をみながら経過観察する場合もあります。

腫瘍内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx9900xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 11 16.36 11.12 18.18% 71.82
060035xx99x0xx 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術なし 8.36
060010xx99x40x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む)手術なし(化学療法あり・放射線療法なし) 8.87
06007xxx97x6xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術あり(化学療法あり フルオロウラシル+レボホリナートカルシウム+イリノテカン塩酸塩+オキサリプラチン) 12.96
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 10.79
060035xx97x50x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 手術あり(化学療法あり オキサリプラチン) 15.08
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

当科では主に食道癌・胃癌・膵臓癌・大腸癌などの消化管悪性腫瘍に対して抗癌剤治療を行っています。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 (手術・処置あり 経皮的針生検法等) 97 3.09 3.05 0.00% 71.95
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 60 14.37 13.49 10.00% 73.18
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり・放射線療法なし) 51 15.69 8.60 0.00% 70.90
040040xx99060x 肺の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり クリゾチニブ等) 29 19.90 14.58 0.00% 72.03
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり カルボプラチン+パクリタキセル等) 27 31.07 18.98 0.00% 68.89
肺癌の診断および治療方針の決定には、肺の腫瘍から直接腫瘍組織を採取する必要があります。気管支鏡検査は重要な検査方法の一つで、当院では1泊入院の上で、先進的な気管支鏡機器を用いて、静脈麻酔や医療用麻薬を併用し苦痛が少なく安全に検査ができるようにしています。
診断が確定した後は、化学放射線療法の適応がある場合には化学放射線療法を、遠隔転移がある場合には腫瘍組織からの遺伝子情報などに基づいて、化学療法、分子標的治療、免疫療法を中心に、最適な治療を行うように努めています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 292 2.79 2.64 0.00% 68.76
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 68 10.54 7.76 0.00% 74.15
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍 手術なし 39 10.36 8.28 2.56% 70.18
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 内視鏡的胆道ステント留置術等 28 4.50 4.25 0.00% 68.68
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 内視鏡的胆道ステント留置術等 28 10.46 8.94 3.57% 74.43
大腸がん検診などで異常を指摘された患者さんに対して大腸内視鏡検査を行います。発見された大腸腺腫・早期癌に対して入院の上、内視鏡的粘膜切除術(1-2泊)、内視鏡的粘膜下層剥離術(4-5泊)を行っています。

胃癌(胃の悪性腫瘍)は、早期発見する事により完治する疾患のひとつです。
早期発見された初期の胃癌は、内視鏡的粘膜下層剥離術に代表される内視鏡治療により、約10日の入院で治療が行われています。

肝細胞癌(肝臓の悪性腫瘍)に対する内科的治療としては、肝動脈塞栓療法(TACE)、経皮的エタノール局注療法(PEI)、経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)を行っています。肝動脈塞栓術(TACE)不応例や進行例に対しては、内科的治療として化学療法を積極的に行っております。

膵癌(膵臓の悪性腫瘍)は、難治性の癌と言われておりますが、正確な組織診断と進展度診断を行い、早期に適切な手術あるいは抗がん剤治療が受けられるよう対応しています。膵癌が原因の黄疸に対してステント留置を含むドレナージ治療も積極的に行っております。

胆管結石、胆道狭窄あるいは急性胆管炎などの胆道疾患に対して内視鏡や超音波内視鏡を用いた診断・治療を行っております。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 手術あり 147 11.54 10.06 0.68% 69.48
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 27 8.70 13.49 7.41% 72.48
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり・放射線療法なし) 22 15.23 8.60 0.00% 61.64
040040xx9905xx 肺の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり カルボプラチン+パクリタキセル等) 21 15.52 18.98 0.00% 71.24
040030xx01xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 胸腔鏡下肺切除術等 12 11.50 8.47 0.00% 72.58
肺がんは日本ではがんの中でも最も死亡数の多いがんです。呼吸器外科では肺がんの手術診療を最も重点的に行っています。手術は低侵襲手術の発達で95%以上が胸腔鏡手術となっています。
また、呼吸器外科では肺がんの手術後に行う再発予防の抗がん剤治療や、残念ながら術後再発された方に対する抗がん剤治療などを、学会の定めるガイドラインに準じて実施しています。術後再発された方の治療では、脳や骨や肺転移など局所の制御が必要なものは放射線科との連携にて放射線治療を併用します。最先端の新薬の治験などが可能と思われる方も含まれますので、呼吸器内科との合同カンファレンスにて再発後の治療方針を決定しています。何の治療も行えなくなった方の苦痛をとる治療、いわゆる緩和医療も展開しています.

肺がん以外では、肺の炎症性のしこり、肺化膿症、気胸、その他の良性腫瘍の手術も担当しています。これらの手術も原則的には胸腔鏡下にて低侵襲で実施しています。

消化器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 66 17.61 18.05 0.00% 72.30
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 30 13.17 15.40 3.33% 68.33
060040xx0200xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 28 15.93 14.89 0.00% 68.57
060020xx01xxxx 胃の悪性腫瘍 胃全摘術 悪性腫瘍手術等 17 23.47 22.01 5.88% 73.94
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む) 肝切除術 部分切除等 14 13.71 14.50 0.00% 65.00
国立がん研究センターがん対策情報センターの最新がん統計によれば、2019年に新たに診断された癌罹患者数は、男女合わせると999,075例で、部位別では大腸癌が最も多く、ついで肺癌、胃癌の順となります。当院の実際の症例数も大腸癌が最も多いのですが、DPCの分類分けの関係で表のようになっています。

胃癌の男女別罹患数を見ると、女性に比べて男性が倍以上多くなっており、飲酒や喫煙が罹患率に関係していると言われています。

大腸癌の罹患率は、男性では肺癌に次いで2位、女性では乳癌に次いで2位となっています。直腸癌とそれ以外の結腸癌に分かれますが、結腸癌の方が罹患率は高くなっています。

DPCコード5位には、肝転移症例(続発性肝悪性腫瘍)が入っています。
近年大腸癌の症例増加に伴い、大腸癌の肝転移が増えており、これに対して腹腔鏡下の肝部分切除を行なっています。
肝転移症例は、肝臓が右上腹部の肋骨に隠れた部分に位置しているため、以前は右上腹部を大きく切開して切除を行う必要がありました。また一度肝切除を行った後も再々発する症例もあり繰り返し手術を行う場合もあり、患者さんの負担となっていました。近年腹腔鏡下肝切除を行うことによって、皮膚切開が大幅に縮小できるようになり患者さんの負担が軽減でき、繰り返しの手術にも対応できるようになってきております。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない) 78 7.45 5.67 0.00% 62.50
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術等 59 10.17 9.99 0.00% 62.32
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり シクロホスファミド+塩酸エピルビシン等) 23 3.04 3.66 0.00% 64.09
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし - - 9.71 - -
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし (放射線療法あり) - - 27.24 - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

1位の乳房部分切除術(腋窩郭清を伴わないもの)は、主に早期乳がんに対して行われる手術で、平均で1週間程度の入院となっています。2位の乳房切除等は複数の手術をまとめたもので、別項の主要手術別患者数を参考にしてください。3位以降は外来では難しい場合の抗癌剤治療、症状緩和などの治療、乳癌転移に対する放射線治療のための入院です。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍 (脊椎脊髄を除く)四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 63
6.68 5.29 0.00% 54.37
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍 (脊椎を除く) 手術なし (化学療法なし・放射線療法あり) 17 43.00 20.28 5.88% 72.82
180060xx97xxxx その他の新生物 手術あり 16 7.19 5.96 0.00% 32.25
070041xx99x3xx 軟部の悪性腫瘍(脊髄を除く) 手術なし (化学療法あり・放射線療法なし)
15 20.80 9.38 0.00% 42.93
180060xx99xxxx その他の新生物 手術なし 11 4.00 5.79 0.00% 40.00
骨・軟部腫瘍について、DPCコードでの診断群の分類が難しく、特に良性腫瘍については、骨腫瘍と軟部腫瘍が同一のコードになっているため、DPCコードの分類で全体像を把握することが困難です。骨・軟部腫瘍の治療の基本は手術ですので、当科の入院症例は手術目的が最も多いです。手術例についての内訳については、別項の「診療科別腫瘍手術別患者数等」の説明をご覧いただければと存じます。

入院症例のうち、悪性骨・軟部腫瘍の進行例で、手術は行わず化学療法や放射線治療のみ行う症例が増加しております。悪性腫瘍のうち、手術を行わない群は骨転移癌が多く、照射および骨修飾薬(デノスマブ、ゾレドロン酸)投与が一般的には第1選択となりますが、病的骨折や急激な四肢麻痺を呈する場合は、緊急手術を含め対応しています。

原発不明がんの骨転移(血液がん含め)の症例も積極的に受け入れ、入院加療を行っております。診断が重要ですので、画像検査ののち速やかに生検を考慮します。特に脊椎や骨盤例については、放射線診断科に依頼しCTガイド下経皮針生検を積極的に行っております。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x2xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法なし・放射線療法あり) 18 28.78 26.49 0.00% 71.00
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法あり・放射線療法なし) 16 15.44 15.07 0.00% 67.38
130030xx99x4xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし (化学療法あり リツキサン) - - 10.00 - -
010010xx9903xx 脳腫瘍 手術なし (化学療法なし・放射線療法あり) - - 17.14 - -
130030xx97x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術あり (化学療法あり・放射線療法なし) - - 29.52 - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

中枢神経系悪性リンパ腫、悪性神経膠腫、転移性脳腫瘍等の悪性脳腫瘍の治療が中心です。
手術療法、化学療法、放射線療法等を組み合わせて、多方面から疾患にアプローチしています。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 (化学療法あり) 86 6.22 6.66 1.16% 74.66
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 64 12.45 11.30 0.00% 67.84
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺針生検法等 37 2.68 2.45 0.00% 73.76
110070xx99x20x 膀胱腫瘍 手術なし (化学療法あり) 29 6.31 9.51 0.00% 71.72
110060xx99x20x 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり) 23 6.74 9.46 0.00% 76.13
患者数は、診断群分類別では記載の順通りですが、疾患別では、前立腺がん、膀胱がん、腎がん、腎盂尿管がんの順になっています。

前立腺がんは、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新がん統計(2023/7/5更新)によれば、2019年に新たに診断されたがんは94,748例で、部位別がん罹患数では男性の第1位となっています。前立腺がんに対する根治治療として前立腺全摘術、あるいは放射線治療(および重粒子線治療、陽子線治療)を行います。転移がんなど根治治療の適応とならない場合は内分泌治療、抗がん剤治療を行います。

膀胱がん、腎盂・尿管がんの治療は基本的に手術が第一選択となります。化学療法は、手術適応のない進行がんの治療や手術前術後の補助療法として行っています。放射線治療(±化学療法)は手術適応のない進行がんで行う事がありますが、症例によっては手術との併用療法とすることもあります。

腎がんの治療は、転移の有無にかかわらず腎全摘術あるいは腎部分切除術などの手術が基本です。腎臓局所で進行していたり、転移が多かったり、その他の理由で切除不能と判断した場合は薬物療法を行います。近年分子標的薬、免疫チエックポイント阻害薬(抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)などが多数登場し治療の幅が広がってきています。

婦人科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120010xx99x50x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり カルボプラチン+ドセタキセル等) 226 8.41 4.19 0.00% 59.84
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし(化学療法あり・放射線治療なし) 156 8.15 4.27 0.00% 60.31
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 67 11.21 10.48 0.00% 57.33
120010xx01x0xx 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等 41 12.68 11.90 0.00% 55.93
120010xx99x40x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし (化学療法あり・放射線療法なし) 31 10.26 4.89 0.00% 66.61
昨年同様に今年も1位卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍手術なし(カルボプラチン+ドセタキセル)、2位子宮頚・体部の悪性腫瘍手術なし(化学療法あり・放射線なし)となりました。また手術件数は昨年同等の件数であり3位、4位は手術に関わるものとなりましたが、腹腔鏡下手術件数の増加が現れる結果となりました。ロボット支援手術も開始となったため、今後さらに子宮頚・体部の悪性腫瘍腹腔鏡下腟式子宮全摘術の件数は増加してくると考えられます

卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍に対しての化学療法はタキサン、プラチナをベースとした初回治療、セカンドライン以降の化学療法も他癌種よりも多くの適応薬剤があるため進行例・再発例に対しての治療総数が多くなります。

頸がんの化学療法には主にパクリタキセル・シスプラチン・カルボプラチンを、体がんにはパクリタキセル・カルボプラチン・ドキソルビシン・シスプラチンを使用します。近年子宮体がんおよび子宮頸がんに対して免疫チェックポイント阻害剤の適応が拡大されてきています。
 

頭頸部外科・頭頸部内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均在院日数(自院) 平均在院日数(全国) 転院率 平均年齢 患者用パス
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 69 17.87 12.88 0.00% 66.58
03001xxx99x2xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし(化学療法なし・放射線療法あり) 44 38.89 28.48 6.82% 72.91
03001xxx0210xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 遊離皮弁術(顕微鏡下血管柄付きのもの) その他の場合等 36 38.17 27.35 0.00% 72.64
03001xxx99x0xx 頭頸部悪性腫瘍 手術なし 29 19.90 12.44 13.79% 71.34
100020xx010xxx 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術等 27 11.22 8.06 0.00% 63.56
頭頸部には呼吸・食事(咀嚼・嚥下)・発声・味覚・聴覚など社会生活を送る上で重要な機能が集中しています。
また、それに加え、顔面の形態の維持や表情の形成を行うのも頭頸部であり整容的な配慮も必要です。そのため、頭頸部癌治療においては生命予後の向上とともに機能温存への配慮が必要です。そのため、手術治療においても一般的な手術治療に加え、再建手術を行うことにより(その他の手術等ありの項目)機能温存や顔面の整容などへの機能の維持を図っています。また、放射線療法、化学療法も感受性の高いがんが頭頸部には多いこともあり生命予後、機能温存を図るうえで重要な役割を果たしています。この3者を合わせ、集学的治療を行うことで生命予後、機能温存を少しでも改善するよう取り組んでおります。

放射線治療科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx99000x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 36 2.00 7.00 0.00% 76.50
110080xx9902xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし(放射線療法) 25 12.16 25.08 0.00% 72.36
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし(放射線療法) - - 27.24 - -
060040xx99x2xx 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし(化学療法あり・放射線療法あり等) - - 23.55 - -
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く) 手術なし (放射線療法) - - 20.28 - -
110080xx9903xx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし(化学療法等) - - 12.17 - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

放射線治療は基本的に通院で行っていますが、遠方在住や体調の事情などにより通院治療の困難な方については、入院していただいて治療を行っています。

緩和ケア内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 16 25.75 13.49 0.00% 79.56
060020xx9900xx 胃の悪性腫瘍 手術なし - - 11.12 - -
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く) 手術なし(放射線療法) - - 20.28 - -
06007xxx9900xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし - - 10.79 - -
12002xxx99x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし - - 9.26 - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

国立がん研究センターの年次統計で公表されているがんの部位別の死亡率に概ね添った傾向が認められます。
胃がん数が高いのは、当院腫瘍内科で抗がん剤治療を受けたのち当科に紹介される患者が多いことを示しています。
また、膵がんに関しても当院呼吸器内科や腫瘍内科で化学療法を積極的に行っているためと思われます。
骨の悪性腫瘍については、殆どが転移性腫瘍で骨転移の苦痛症状の緩和が必要な患者さんが少なくないことを表しています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 119 10 21 26 - 41 1 8
大腸癌 35 21 37 47 - 66 1 8
乳癌 76 40 33 - - 37 1 8
肺癌 113 26 62 117 - 286 1 8
肝癌 - 11 - 11 - 44 1 8
UICC(国際対がん連合)が定めたTNM悪性腫瘍の分類に基づいて、T(原発腫瘍の広がり)、N(所属リンパ節転移の有無と拡がり)、M(遠隔転移の有無)を評価し,癌の進行度と拡がりをがんのstageとして分類するものです。
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 18 14.17 78.56
重症 - - -
超重症 - - -
不明 - - -
・成人の市中肺炎の患者さんについて,重症度別に患者数・平均在院日数・平均年齢を集計したものです。
・症例数では中等症の割合が最も多くなっています。
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

脳梗塞のICD10別患者数等

脳梗塞の患者数等

発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
・脳梗塞を発症した患者数・平均在院日数・平均年齢・転院率を示しています。
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

血液内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢)等 32 5.19 19.69 0.00% 70.72
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

抗悪性腫瘍剤静脈内持続静注用植え込み型カテーテル設置(四肢)
悪性リンパ腫治療に使用する抗がん剤のなかには、ドキソルビシン(アドリアシン®)やビンクリスチン(オンコビン®)等血管外に漏出した場合に重篤な皮膚炎、血管炎を引き起こす心配のある薬剤が含まれています。患者さんの血管の状態によって、血管外漏出の心配のある患者さんには、植え込み式カテーテル(ポート)を挿入しています。また、もともと血管が細くて点滴が入りにくい方にも安全に治療を行うために植え込み式カテーテル(ポート)を挿入することをお勧めしています。

中心静脈注射用埋め込み型カテーテル設置(四肢)
抗がん剤の24時間持続点滴による治療が必要な患者さん、大量化学療法による合併症が懸念される患者さん、輸血や抗生剤投与による治療が長期にわたる患者さんには、中心静脈(腕の付け根や鎖骨の下の太い静脈)にカテーテルを挿入し、血管を確保することをお勧めしています。特に上腕の血管からエコーで血管を観察しながらカテーテルを挿入する方法は比較的安全で確実に血管確保ができる手技として多くの患者さんに施行されています。

造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植)等
日本血液学会・造血器腫瘍ガイドラインでは、65歳未満で重篤な合併症のない初発の多発性骨髄腫患者さんには、抗がん剤で寛解導入療法を施行した後に自家末梢血幹細胞移植を施行することを推奨しています。当院でも70歳未満で重篤な合併症のない初発の多発性骨髄腫の患者さんに対しては、積極的に自家末梢血幹細胞移植を施行しています。再発、再燃のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者さんに対しても、患者さんの状態に合わせて自家末梢血幹細胞移植を施行しています。当院の末梢血幹細胞採取は、医師、看護師、臨床工学士、臨床検査技師が協力し、安全に採取ができるようにしています。

リンパ節摘出術
悪性リンパ腫は現在約100種類の組織型があり、それぞれに推奨される治療法があります。また、経過中に形質転換(組織型が変化をおこすこと)を起こすケースもあり、病状に即した最適な治療を行う必要があります。悪性リンパ腫が疑われるとき、悪性リンパ腫の治療中再発が疑われる時には、積極的にリンパ節生検を行い、組織型の確定を行っています。

内視鏡的消化管止血術
急性白血病は骨髄中に腫瘍細胞が増加することにより正常な血液が作れなくなる病気です。血小板の低下により出血がしやすくなり消化管出血を併発する場合があります。また、悪性リンパ腫はリンパ節以外に病変が出現する場合があり、リンパ節外の病変で最も多いのは消化管の病変です。消化管からの出血がある場合には、内視鏡的な止血術を行います。

腫瘍内科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 71 2.06 8.66 0.00% 65.80
K735-4 下部消化管ステント留置術 - - - - -
K726-2 腹腔鏡下人工肛門造設術 - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K522-2 食道ステント留置術 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K726 人工肛門造設術 - - - - -
K775 経皮的腎(腎盂)瘻造設術 - - - - -
K6181 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

抗がん剤を安全に確実に投与するため、抗悪性腫瘍静脈内持続注入用埋め込み(上腕ポート埋め込み)を大部分の患者さんに行っています。胆管ステントや消化管ステントや尿管ステントの留置、胃瘻造設は患者さんの病態に応じて消化器内科、泌尿器科に依頼して行っています。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 270 0.74 1.04 0.00% 69.15
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 66 2.33 7.23 0.00% 73.91
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 57 1.84 10.58 0.00% 73.56
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 25 4.16 20.72 0.00% 74.68
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 23 0.78 1.30 0.00% 64.09
大腸がん検診などで異常を指摘された患者さんに対して大腸内視鏡検査を行います。発見された大腸腺腫・早期癌に対して入院の上、内視鏡的粘膜切除術(1-2泊)、内視鏡的粘膜下層剥離術(4-5泊)を行っています。

胃がん検診や上部内視鏡検査などで発見された早期胃癌に対して、内視鏡的粘膜下層剥離術を中心に治療を行っています。治療時には鎮静・鎮痛剤を使用し、眠った状態に近い状況で治療を行っています。

胆管の狭窄部に対して、胆汁の流れを確保するために、胆管内に金属あるいはプラスチックのステントを留置しています。内視鏡を用いて十二指腸の胆管の出口から胆管内にアプローチして治療を行っています。

肝細胞癌に対する治療として肝動脈塞栓療法(TAE)を行っています。外科手術の適応がない症例などに対して、肝細胞癌のある区域に選択的にカテーテルを挿入して塞栓術を行います。

大腸がん検診などで異常を指摘された患者さんに対して大腸内視鏡検査を行います。発見された大腸腺腫・早期癌に対して入院の上、内視鏡的粘膜切除術(1-2泊)、内視鏡的粘膜下層剥離術(4-5泊)を行っています。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 89 3.01 8.45 1.12% 69.82
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 46 3.61 5.41 0.00% 69.70
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 12 3.58 8.25 0.00% 66.75
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 11 3.91 5.82 0.00% 71.73
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) - - - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

肺は右の肺は上葉・中葉・下葉の3枚、左肺は上葉と下葉の2枚に分かれています。原則的に肺がんの手術では、腫瘍の存在する肺葉を切除することが標準手術となっています。肺の動脈、静脈、気管支などを切り離す大きな手術です。腫瘍だけを切り取るような部分切除では再発が起こりやすいからです。胸腔鏡下手術は、大きな傷で胸を開いて実施していた手術に代わり1~5カ所の小さな孔だけでがんを取り出す手術で、痛みが少ないという利点があります。最近は1つの孔で行う単孔式胸腔鏡という手術も行っているほか、令和3年からはロボット支援胸腔鏡下での肺がん切除術にも対応しています。

タバコの吸い過ぎのため肺の衰えが著しい方は、肺を大きくとることが困難な場合があります。そのような方には肺葉切除よりも小さな切除範囲で腫瘍を切り取る部分切除や区域切除が行われることがあります。また再発リスクが極めて低いと早期肺がんの方にも部分切除や区域切除が行われることがあります。これらの手術も胸腔鏡が主体です。区域切除は最も複雑な肺の手術ですがこれも胸腔鏡で行います。
また、炎症性の腫瘍など、肺の良性腫瘍などもほぼ100%が胸腔鏡下で行われています。

肺の腫瘍以外に、呼吸器外科では縦隔や胸壁の腫瘍の手術も担当します。縦隔腫瘍で最も多いのが胸腺腫という腫瘍ですが、これらの手術も基本的には胸腔鏡下で実施しています。

消化器外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K655-22 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術 33 3.91 12.15 0.00% 75.18
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 31 2.77 10.03 3.23% 68.10
K740-22 腹腔鏡下直腸切除・切断術 低位前方切除術 19 3.84 17.79 0.00% 67.89
K740-21 腹腔鏡下直腸切除・切断術 切除術 17 2.94 10.29 0.00% 67.88
K655-23 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 16 3.69 11.63 0.00% 68.63
DPCコード1位には、胃の出口側を切除する幽門側切除と入口側を切除する噴門側切除が含まれています。
胃癌の手術では、胃の出口側を切除する幽門側切除が多いですが、病変の部位に合わせて、入口側を切除する噴門側切除、病変が広範などでどうしても胃が残せない場合には胃全摘術(DPCコード4位)を行います。
胃癌の外科治療においては、病変の局在(位置)、大きさ、進行度、リンパ節転移の有無など、さまざまな要因を考慮して手術方法を決定しています。
5位の腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)とは、いわゆるロボット支援手術です。
近年普及している腹腔鏡手術、ロボット支援手術と従来からの開腹手術の適応について、学会および臨床試験にもとづくエビデンスにもとづいてよく検討して、外科治療に臨んでいます。当院の胃癌手術では、8割が腹腔鏡(ロボット支援手術を含む)によって行われており、患者さんの負担の軽減に勤めています。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 79 1.11 5.41 0.00% 62.52
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 25 1.16 9.56 0.00% 61.76
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 23 1.17 6.39 0.00% 61.22
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む) - - - - -
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
K4742 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル以上 - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

乳がんの手術は、がんを取り切るために乳房をどれくらい切除するかと、脇の下(腋窩)のリンパ節をどこまで切除するかによって術式が分かれます。

1位は乳房部分切除+センチネルリンパ節生検、2位は乳房全摘+センチネルリンパ節生検、3位は乳房全摘+腋窩郭清、4位は乳房部分切除+腋窩郭清になっています。乳房全摘よりは部分切除の方が手術する範囲が少なく、リンパ節を根こそぎ切除する腋窩郭清術よりも部分的に調べるセンチネルリンパ節生検の方が体への負担が少ないため、術式によって平均術後日数に差が出ています。体の負担という点でも、乳がんを早期に発見して乳房部分切除+センチネルリンパ節生検で済むことが望ましいと考えられます。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 (肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 55 2.04 3.87 0.00% 55.31
K0311 四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術 (肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹) 10 4.50 14.30 0.00% 67.00
K0302 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術 手、足 等 - - - - -
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) - - - - -
K0523 骨腫瘍切除術 鎖骨、膝蓋骨、手、足、指(手、足)その他 - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

当科で行う手術は四肢や躯幹の深部や皮下に発生した良性軟部腫瘍(中間群を含む)が最も多く、良性骨腫瘍(中間群を含む)が続きます。化学療法時に使用する埋込み型カテーテル留置も増えて来ています。

令和4年度の手術件数は147例(全身麻酔137、局所麻酔10)で、内訳は軟部腫瘍摘出術90例(良性および中間型79例、悪性11例)、骨腫瘍摘出術20例(良性および中間型18例、悪性2例)、生検10例、骨折手術14例(腫瘍性9、非腫瘍性5)、脊椎手術5例、デブリードマン4例、抜釘2例、異物除去1例、化膿性関節炎による切断1例、筋肉膿瘍1例、ばね指1例でした。

原発性悪性骨・軟部腫瘍は肉腫が多く、希少がんの代表的疾患です。局所治療(手術、放射線)が基本ですが、近年化学療法の適応範囲が広がっており、悪性度が高く、深部発生で、大きな腫瘍(長径5cmを超える)の場合は、術前後の補助化学療法を積極的に行っております。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K154-3 定位脳腫瘍生検術 15 3.47 73.47 13.33% 70.20
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 10 7.60 24.50 0.00% 64.00
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
K1492 減圧開頭術(その他) - - - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

中枢神経系悪性リンパ腫、悪性神経膠腫、転移性脳腫瘍等の悪性脳腫瘍の治療が中心です。
手術療法、化学療法、放射線療法等を組み合わせて、多方面から疾患にアプローチしています。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 87 1.10 3.92 0.00% 73.92
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 64 2.94 8.52 0.00% 67.84
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 20 3.90 8.10 0.00% 73.85
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術 13 3.15 9.69 0.00% 63.54
K803-22 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術(回腸等導管利用尿路変更あり) - - - - -
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。

経尿道的内視鏡切除術(TUR)は、筋層非浸潤性膀胱がんの初期治療として行います。尿道から内視鏡を挿入し、膀胱内を電解質液で灌流しながら内視鏡に装着された電気メスで病巣とその周辺の組織を切除します。進行した膀胱がんでも、確定診断をつけるために実施することがあります。

前立腺全摘術は、早期の前立腺がんに対する根治治療の一つです。手術ロボット、ダヴィンチシステムが導入された2019年9月以降は、全例でダヴィンチ支援下手術を行っています。ダヴィンチ手術は、出血が少ない、合併症が少ない、術後回復が早く入院期間が短いなど多くの利点があります。

腎(尿管)悪性腫瘍手術には、腎細胞がんに対する腎部分切除術と腎全摘術、腎盂・尿管がんに対する腎尿管全摘術が含まれます。腎全摘術及び腎尿管全摘術は腹腔鏡下で行っています。小径腎癌に対しては開放腎部分切除術を行っています。

腎部分切除術では、出血や尿漏れを防ぐため一時的に腎動脈を遮断して切断面を縫合する術式が一般的です。しかし一時的とはいえ血流を止めるため術後に腎機能が低下したり、仮性動脈瘤などの合併症が一定の割合で発生することがあります。そこで当科では手技に改良を加え、開腹下に無阻血・無縫合で腎部分切除術を行い、良好な成績を得ています。

腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術は、筋層浸潤性膀胱がんに対するダヴィンチシステムを利用した膀胱全摘除術です。尿を外に出すための尿路変向術(人工肛門造設など)が必要になります。従来の開腹手術と比べると手術時間が短縮され、出血量が10分の1以下に低減できるため体に優しく、高齢の方にも実施する機会が増えてきています。

婦人科

Kコード 名称 患者数 平均術前日数 平均術後日数 転院率 平均年齢 患者用パス
K889 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側) 46 3.67 10.83 0.00% 57.57
K879 子宮悪性腫瘍手術 41 2.41 9.68 0.00% 58.71
K877 子宮全摘術 28 2.64 7.89 0.00% 54.71
K867 子宮頸部(腟部)切除術 24 1.00 2.00 0.00% 43.46
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 19 1.89 5.95 0.00% 53.58
順位の入れ替わりはありましたが上位3位は昨年度と変わらず子宮附属器悪性腫瘍手術子宮悪性腫瘍、子宮全摘術で占められました。
今年度は子宮附属器悪性腫瘍手術が最も多い術式となりました。子宮全摘・両側附属器切除・大網切除・骨盤および傍大動脈リンパ節郭清を含み、進行例では2回に分けて行う場合もある侵襲の大きい手術です。進行症例に対しての手術は腫瘍減量が主体となり、早期症例に行うようなステージング目的のリンパ節郭清は行ないません。しかしながらPARP阻害剤などの分子標的薬等の発展により化学療法後の維持療法により長期予後が期待できる症例も増えてきています。

子宮悪性腫瘍手術は子宮頸がんと子宮体がんに対し実施する術式です。子宮頸がんには準広汎または広汎子宮全摘術(骨盤リンパ節郭清を含む)を行います。子宮体がんには単純子宮全摘・両側附属器切除・骨盤リンパ節郭清を実施し、がんの状態によって卵巣がんに準じた大網切除や傍大動脈リンパ節生検・郭清を追加します。いずれも年齢やがんのタイプ、進行期などにより術式を選択します。R4年度から婦人科悪性腫瘍に対しての腹腔鏡下手術の施設認定を取得、腹腔鏡下手術も増加傾向にあります。

子宮全摘術は子宮頚部異形成や異型内膜増殖症などの前がん病変や子宮筋腫などの良性腫瘍に対して行われておりますが、こちらも腹腔鏡下手術の適応を拡大しており、今後順位の入れ替わりが予想されます。

頭頸部外科・頭頸部内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 28 4.21 45.71 3.57% 66.11
K374-2 鏡視下咽頭悪性腫瘍手術(軟口蓋悪性腫瘍手術を含む) 21 1.71 15.14 0.00% 66.95
K6112 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 16 12.69 13.19 0.00% 65.75
K4691 頸部郭清術 片側 15 1.13 27.60 0.00% 60.53
K3942 喉頭悪性腫瘍手術 全摘 15 4.33 32.33 0.00% 73.00
K4151 舌悪性腫瘍手術 切除 15 1.00 12.60 0.00% 62.47
頭頸部外科で一番目に多い手術術式が胃瘻造設術です。これらは頭頸部の手術ではないのに疑問を持たれる方もいると思います。これは化学放射線療法という切らずに治す治療を完遂させるための工夫の一つです。化学放射線療法を用いたがんとの闘いでは口や咽頭が焼けただれ食事がままならなくなるため“補給路”が欠かせません。患者さんたちは胃瘻を用いることでこの非常につらい戦いを乗り越えています。

2番目に多い手術は口腔より行う内視鏡手術です。大事なポイントは食べる話す飲むという機能を温存することです。経口腔の内視鏡手術については東北で一番の症例数を誇っています。

3番目の抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢)も化学放射線療法、化学療法のときに点滴が必要になりますがそのルートを保存しておくことで化学療法をスムースに行うための処置手術になります。これを行うことで化学療法のたびに点滴で苦労することがなくなり楽に治療ができます。

4番目の頸部郭清術はほとんどの進行がんに対して行う標準術式の一つで頸部転移の治療のために行います。

5番目は、喉頭悪性手術は喉頭がんに対する手術です。侵攻喉頭がんに対し喉頭を切除する手術です。

6番目は舌がんに対する標準術式で舌がんの手術を行います。切除の大きさによってその後の機能などの違いが大きいです。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
・患者さんの手術・処置などの合併症にあたるものとして示したものです。
・「令和5年度 病院情報の公表の集計条件等について」に基づいて作成しているため、10件未満の患者数はハイフン(-)で表示されます。





更新履歴

2023.9.29 更新
2022.9.30 更新
2021.9.30 更新
2020.9.30 更新
2019.9.30 更新
2018.9.27 更新
2017.9.30 更新
2016.9.30 新規掲載